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「三沢川いきものがたり」のものがたり Vol.01 [気になる映画]

新連載★街なかの生物多様性ドキュメンタリー
    「三沢川いきものがたり」のものがたり Vol.01★

「里地里山」よりもっと身近な「人の生活圏」に棲む生き物たちを記録。


昨今、”生物多様性”という観点から、生活に身近な生きものたちの生態系を見つめることで人の環境を見直そうとする機運が全国的に高まっています。

東京都稲城市は、南はその名の通り南山と呼ばれる多摩丘陵を背に、市内のほぼ中央を多摩川に注ぐ一級河川三沢川が東西に横断し、そこには実に多様多彩な生物が生息しています。
つまり三沢川は人の生活圏内を流れていることから、「里地里山」以上に身近な、いわば「街なか」の生態系を示す貴重なモデルといえるでしょう。

この作品は、6年間にわたって三沢川の様子を撮影したものをまとめたものですが、思った以上に多くの生き物が生活していることに感動し、それはそのまま、多摩地域の自然環境、生活環境の豊かさ、住みよさを示すバロメーターではないかと感じました。

その意味で「三沢川いきものがたり」は、環境や生態系など理系のテーマにとどまらず、広く多摩地域の魅力そのものをアピールするものであると考え、街づくりのコミュニティや教育、観光、福祉、地域活動等、より広い場面で話題にされ、役立てて頂くことができれば、制作者としてそれに過ぎる喜びはありません。

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①/「三沢川いきものがたり」の撮影を開始したころ(2011.6)の多摩丘陵(南山)の様子。開発は始まっていたが、丘陵部の里山はまだかなりの部分が残されている。

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②/同、2011.5 の三沢川の様子

川床に堆積した砂地がかなり豊かで、草も程よく茂り、鳥や昆虫、爬虫類にとっては恵まれた住環境を形成していた。
問題は蚊などの虫が湧きやすく、近隣住民にとってはそれが悩みの種。また川床が高いと豪雨の場合など洪水になりやすい。
川床の様子をどの程度に保つかは自治体にとっても大きな課題。

写真 03-2.JPG

③/同、2011.5 の三沢川の様子
川床のところどころには桑、クルミなどの樹が自生し、鳥たちの食糧源になっていた。
けれども、降った雨は滞りなく流さなければならない河川管理上、河川敷内の樹木も悩みの種。
大木に育って、葉先まで真っ黒な実をつけて、もっぱら小鳥たちの餌になっていたこの桑の木は、数年前に伐採されて、今は無い。
ここでも、自然環境と河川行政とのしがらみが…。

写真 04-2.JPG

④同。2011.5 
川床に木があると、雨後、水量が増え、水が引くと、木の枝に引っかかったごみが取り残される。
鳥たちのレストランや隠れ家、雨宿りに好都合のこのような樹は、ほぼ1年後には伐り払われて、すべて無くなってしまった。

特設facebookページ  → https://www.facebook.com/misawariver/


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「三沢川いきものがたり」の三沢川と私 [気になる映画]

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■三沢川の土手を歩く。正面は多摩丘陵(南山) 1965年冬、8ミリ映画より 
 現在この両岸は見事な桜並木。けれども家屋に遮られ、この写真と同アングルでは撮影不可



「三沢川いきものがたり」の三沢川と私


島倉 繁夫


  昨年、私は、“生物多様性”ドキュメンタリー映画「三沢川いきものがたり」を完成させました。6年を費やしたその作品は企画から撮影、編集、解説まですべて一人で仕上げたものです。それは資金がなかったからですが、作品の純血性にこだわったという点が偽らざるところです。幸い地元公開では大方のご好評をいただき、この度この作品に磨きをかけるべく、クラウドファンディングによる作品のリプロデュースに取り掛かったところです。 


 「三沢川いきものがたり」の舞台、東京都稲城市(いなぎし、人口9万人)のほぼ中央を横切って流れる三沢川は、都県管轄の一級河川です。三沢川全体は東京都町田市北西に端を発し、神奈川県川崎市の西端をかすめて流れた後、稲城市市街地を通って再び川崎市に入り多摩川に注いでいます。つまり、東京都と神奈川県のほぼ境界部を流れている多摩川の支流です。「三沢川いきものがたり」は、この三沢川のほぼ中流域に当たる、丘陵地のふもとから神奈川県との県境まで、ほぼ3キロ強の街なかを往復ウォーキングがてら撮影した画像をまとめたものです。
 


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●稲城市内を流れる三沢川と「三沢川いきものがたり」の撮影範囲(ブルーで示した範囲)       by GOOGLE


 作品をご覧になった方から「水源から河口までの記録が見たい」とのお話もありましたが、私の興味
(ねらい)は別のところにありました。里山における生き物の生態はよく話題に上りますが、私はそれよりももっと身近な 人と生活圏を同じにする生物”、つまり街なかの生き物たち”に関心があったのです。それは取りも直さず、50年以上も住み着いた文字通り第二の故郷稲城に対する思い入れに他なりません。それを語るには半世紀前に遡る必要があるでしょう。
 


私が初めて東京都南多摩郡稲城町矢野口(当時)に立ったのは1961年秋。その時に見た夕方の情景は忘れられません。陰りを見せて遠くに横たわる多摩丘陵(南山)。ふもとに漂うかすみを背景に数軒のわらぶき屋根。遮るものもなく足元まで続く広い田んぼを南北に分けて続く細長い草むら。それが三沢川の土手でした。そしてカエルの声…。それはそのまま、子供のころ故郷長岡の農家に育った私が見た風景に全くと言っていいほどそっくりだったのです。強い郷愁に胸打たれながら、「ここに住みたい」、そう思ったのでした。その数年後に結婚。念願の居を稲城に構えました。(記事のトップ写真はそのころ撮った8ミリ映画です) 


ところが時代は高度経済成長期。家と都心を往復する生活は、稲城に住みながらの稲城知らず。多摩ニュータウンの開発で南山の形が変わるほどの変化や汚れきった三沢川の姿は気になっていましたが、家の周り以外の離れた地域を訪れる余裕はありませんでした。


やがて気が付けばバブル崩壊。言葉通り「失われた20年」だったと首を垂れながらの今日。目を開かせてくれたのが、いつも近くを流れている三沢川でした。そこには、一度は再起不能に見えるほどに汚れた三沢川が、昔の清流に見事に復活していたのでした。
これだ! これを記録しておかなくちゃ。
という訳ですから、三沢川の生き物たちを撮影しているときには、私の少年時代の記憶がいつも蘇っていました。 


折しも社会は環境の大切さを認識し、そのバロメーターのひとつである“生物多様性”を合言葉に、その永続的な実現に向けて行政ぐるみで取り組むようになりました。
 この「三沢川いきものがたり」のテーマは“生物多様性”ですが、包み隠さず言えば、この度の三沢川の撮影・編集作業は、あくまでも私にとって”第二の郷里の記憶”を編む作業であり、テーマとして掲げた”生物多様性”は、結果として後付けされたキーワードだと気付かされたのでした。 


作品のリプロデュースが、このたびのクラウドファンディングによる皆様のお力で実現することを願うとともに、清流と多くの生き物たちの姿を集めたこの作品が、「三沢川の過去の記録」にならないように強く念願するものです。



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●2018年3月31日現在の多摩丘陵の様子。
 トップ写真の撮影位置より左手寄りの高い位置から撮影。




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「三沢川いきものがたり」のグレードアップ [気になる映画]

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★ ごあいさつ ★

昨年6月、東京・稲城市においてお披露目公開させていただいた"生物多様性"ドキュメンタリー映画「三沢川いきものがたり」。制作のすべては映像ディレクター島倉繁夫個人の手によるものでしたが、おかげさまでご好評をいただき、深く感謝申し上げます。

そこで、これからは映像、音声ともにリフレッシュした形でご覧いただくことを考え、このたび色彩や音声の調整、作図など、ポストプロダクションのスタジオワークをプロの手にゆだねることとし、最近話題のクラウドファンディング全国組織FAAVOの「FAAVO東京調布・府中」さんのお力をお借りして、みなさまにご支援をお願いすることになりました。

このドキュメンタリーは地元稲城市のほぼ中央を横断する一級河川を舞台に展開するところから、このたびの計画は地域活動と位置づけ、環境、観光といった面からも地域のご賛同を戴き、ご協力のリターンにもつなげられるように活動の幅を広げていきたいと考えております。
目標が達成できた場合、ベーシックのリターンとして、同作品の上映会ご招待と共に、作品の舞台となった三沢川の散策「制作者と歩く三沢川ウォーキング」を計画しており、稲城市の魅力や撮影の裏話などをたっぷりと語らせて頂きたいと思考しているところです。

永いことブログをさぼり続けてきた裏で、実はこんな準備を進めておりました。<(_ _)>

クラウドファンディングは4月28日開始~6月30日終了。どうぞご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

※詳しくはホームページ を→ https://misawariver.skymember.site/ 
 「予告編」もご覧いただけます。 

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映画「HAR MOTHER」、絶好調です! [気になる映画]

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新宿のミニ・シアター「Ks chinema」で99日から始まった新鋭・佐藤慶紀監督の「HER MOTHER」を観てきました。ソネブロではみなさんにもおなじみのアヨアン・イゴカ―さんの奥様である女優の箱木宏美さんが出演されております。

この作品はすでに主としてアジアのいろいろな映画祭に正式出品され、話題作として好評を博しているようですが、箱木宏美さんはこの映画でつい最近、フランスのヴズール国際アジア映画祭のスペシャルメンションを受賞されております。

 

この作品では、日ごろ他人事(ひとごと)としか感じられない殺人という状況に、観客はいやおうなしに向き合わされます。この殺人が、いわゆる通り魔や問答無用の凶悪犯による犯罪ではないことが、ある意味でひとつの救いです。

 

それは、2年間続いた結婚生活の破たんから起きた事件なのですが、この作品では、通常の殺人事件の展開に見られるような事件の謎を追うという手法や法廷論争はあえて避け、被害者の母親と加害者の母親という対立関係を通して死刑という重いテーマを浮き上がらせようとしています。

その切り口、展開法はとても斬新であり、死刑という重く難しいテーマが人間同士の関係というスタンスで語られるという物語の流れが、国境を越えて好感をもって理解され、海外での評価につながったものではないでしょうか。

とはいえ、この作品が十分にサスペンスフルなのは、二人の母親の心境の変化がドラマチックに展開するからです。観客は常に「あなたならどうなの?」と問いかけられているのです。

この作品については、既に朝日新聞で高い評価を受けていることでもあるし、細部にわたる展開内容については伏せておくべきことでしょう。
 一つ感じたことは、死刑を宣告される主役の荒川泰次郎さんをはじめ出演者のみなさんはすべて、演じるのではなく、役そのものになりきって生きた姿を見せてくれていることが感動的でした。



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●主演の荒川泰次郎さんのfacebookより拝借しました。

 

 

上映後、この日は佐藤監督と二人の主演女優、殺された娘の母親役の西山諒さん(劇団主宰、映画・TV出演多数)と、殺人を犯した青年の母親役の箱木宏美さん(芸域の幅は硬軟両刀、映画TV出演多数)の3人が登壇されてのトークがありました。

主役の荒川泰次郎さんの姿が見えなかったのは残念でしたが(初日に登壇)、そのステージの様子を佐藤監督はそのままスマホで撮影して、リアルタイムでSNSに流しておられました。ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 佐藤監督と被害者の母親を演じた西山諒さんには、幸運にもシアター入館前にお話を伺う機会を頂きましたが、温厚そのものの佐藤監督が、現場ではどのように演技指導されていたのか、ちょっと覗いてみたい気持ちです。



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   西山諒さん        佐藤慶紀監督            箱木宏美さん

 

◆なおこの作品は、10/6(金)まで新宿Ks cinema。 9/23(土)からは名古屋シネマスコーレ。10/7(土)からは大阪・シネヌーヴォで、と、順次公開。さらに全国公開に向けて拡大していくことでしょう


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NEC Direct(NECダイレクト)

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「生物多様性」ドキュメンタリー完成 [気になる映画]

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●ハイビジョン 16:9ビスタサイズ 上映時間 85分


昨年4月より、6年間にわたって撮影した生態系記録映画を編集していました。
(昨年春以降ソネブロおさぼりの原因はすべてこれが原因)

 
舞台は稲城市の市街地のほぼ中央を流れる一級河川「三沢川」。

そこは里山よりももっと身近な"
なか"。

つまりこの映画は、人と同じ生活圏に棲む生き物の記録です。



さかなたち、小鳥たち、そして街なか生態系の上位に位置するカラス。

日常的な四季の移ろいの中に、思いもかけない魅力的な姿を見せる彼らたち。

それはそのまま、街の自然環境のすばらしさを示しています。


そしてこれは、稲城市だけの姿ではありません。


多摩の街のそれぞれが、

いや、もっといえば「東京」が、

こうしたすばらしい環境にあることを伝えたいと思います。

 もっとも身近な街なかにおける「生物多様性」。

それは、どのくらい住みよい街かを示すバロメーターです。

このドキュメンタリー映画が、

いろいろな街で上映されることを願っております。

上映会をご検討いただけたらうれしいです。



★作品に関する資料、写真、予告編動画(2分)、パイロット動画(9.5分)の用意があります。

◎予告編をどうぞ → https://youtu.be/5dXB72wnIYM

■あなたの街で、上映をどうぞご検討ください。

◎環境関係や河川行政の各種会合等での上映
◎福祉関係、生涯学習関係における上映会
◎学校における環境学習教材として
◎商工会、自治会、子供会

◎その他、市民活動、地域活動の一環としての上映会 など


★詳しくは 島倉繁夫(制作者)まで。
 メール
s-s@msd.biglobe.ne.jp  電話
 Tel.042-377-6172  
 また、facebookで「島倉繁夫 三沢川いきものがたり」を検索の上、不定期連載のProductionnotesをご覧頂けます。
★私は映像の企画・構成・演出の立場で主としてPR関係の映像制作に携わってきましたが、この作品は多摩を愛する一心で、撮影、編集、ナレーションまで一人10役で自主制作したものです。



◆関連記事
◎地元稲城市で「三沢川いきものがたり」上映会。
   
http://fcm3.blog.so-net.ne.jp/2017-05-14

◎「三沢川…」、読売新聞に載せていただきました。
     
http://fcm3.blog.so-net.ne.jp/2017-05-19

◎6/18 東京新聞に載せていただきました。
      http://fcm3.blog.so-net.ne.jp/2017-06-18

 

 


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